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初夢の妄想・・・幽玄の美人
2014/01/07 Tue. 19:42
category:未分類

伊東淡水
新年早々、妄想を掻き立てるような文章に出会った。
“草枕”の中の一説である。
現代の性の氾濫、特に女性の身体を商品のごとく扱う
写真や本にうんざりしている向きには、やはりこう、
しっとりと想像力を掻き立てるような表現に出会うと
改めて女性の妖しい美しさにとうっとりせざるを得ない
のではないでしょうか。
「室(むろ)を埋むる湯けむりは、埋め尽くしたる後から、
絶えず湧き上がる。
春の夜の灯を半透明に崩し拡げて、部屋一面の虹の世界が
濃やかに揺れる中に、朦朧と、黒きかとも思わるる程の髪を
暈(ぼか)して、真白な姿が雲の底から次第に浮き上
がってくる。その輪郭を見よ。
首筋を軽く内輪に、双方から責めて、苦もなく肩の方へ
なだれ落ちた線、豊かに、丸く折れて、流るる末は五本の
指と分かれるのであろう。
ふっくらと浮く二つの乳の下には、しばし引く波が、又
滑らかに盛り返して下腹の張りを安らかに見せる」
ひなびた田舎宿の温泉に、深夜一人で浸かっていたところへ
夢か幻か・・・怪しげな美女が音もなくそっと入ってくる。
湯煙の中に浮かぶそのすらっとした白い裸身を見て
主人公は動けない・・・
新年に抱く幻想としては、少しどぎついかもしれない。
でも、こんな女性に出会えて幸福でもある。今年はいい年に
なりそうな予感さえしてくる。
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